和竿という分類は明治時代以降、西洋から竹を縦に裂いて再接着して製造する竿が紹介され、それら西洋の竿(洋竿)と区別するために、和の竿(和竿)という呼称が用いられ定着した。また、当時の日本の釣り竿の殆どが竹であったため、日本で作られる竹竿全般を指すこともある。
和竿には主にその産地、系譜によって、江戸和竿(含む横浜竿、川口竿)、郡上竿、紀州竿、庄内竿に大別される。
江戸和竿(えどわさお)とはかつて江戸で作られていた竹の釣り竿と、その流れを組む職人(竿師)が作る竿である。現在の江戸和竿の工房の多くはかつての江戸の外に移転している事が多いが、江戸和竿を作る職人の元で修行して技術を継承していれば江戸和竿に含まれる。一方、東京で作られている竿でも江戸和竿の系譜に属さない職人が作ったものは江戸和竿に含まないのが一般的である。
(出典元/Wikipedia)
江戸和竿は普通の釣り人にとって高価なものなので、簡単に買えるものではないし、本物の江戸和竿を触れるチャンスすらなかなかない。数年前、俺はまず『平成の竹竿職人』(著者/葛島一美)というつり人社から出版されている本を買った。
この本は『江戸和竿のバイブル』というべき本だと思う。この本は江戸和竿の系譜を継ぐ39人の職人とその作品ともいうべき和竿について収録されている。
竿富の親方だ。若い!(笑)
俺は親戚のおじちゃんにもらった和竿を子供の頃から持っていた。保管状態が悪かったせいもあり、それほど魅力的には思えなかったので、実は一度も実釣で使ったことがなかった。しかし、俺も歳を取ってきたせいか、数年前からは和竿に興味が出てきた。そして、平成14年に出版されたこの本を参考書として購入することにした。
この本はあまりにも内容が良かった。特にそれぞれの竿師の個性が描かれていることが魅力的だ。江戸和竿は基本的にすべての工程が一人の人間の手によって成される。竿師の個性はその作品である竿に色濃く投影されていることがこの本を読めば分かると思う。
実際、敷居が高く感じることもあるので役立ちそうな記事(笑)
マブナ釣り、タナゴ釣りは江戸の釣り文化のまさに特徴といえる。食を目的としない、今でいうところのゲームフィッシングがすでに江戸時代より存在していたのである。そして、マブナ竿、タナゴ竿は当然ながら、江戸和竿の系譜をひく竿師のものを以て正当といえるだろう。タナゴ釣りを長く続けていると、いずれは江戸和竿と関わることがあろうかと思われる。この本では親切にも和竿購入ガイドやメンテナンスのことまで掲載されている。和竿をまだ所有していない人こそ、手に取って読んでみるのがいいのかも知れない。
蛇足ながら、この本は10年以上前に出版された本だ。江戸和竿の親方たちは当時ですでにご高齢の方が多く、この紹介されている39人の竿師の中でも、現在は鬼籍に入られた方も数人いる。そして、10年後にどれだけの親方が健在なのかが心配になってくる。俺は今のうちに、ある程度でも、和竿を見る目を養い、タナゴ釣りを志すのであれば、少しでも早いうちに和竿を親方たちに誂えてもらった方がいいと思う。
「和竿師が作り上げる竹竿には、
江戸から受け継がれてきた伝統の技が宿る。
透き通る漆越しに竹の温もりが感じられる、
美しい大人の釣り道具を所有し、使う悦び。
その一本一本に、職人の道を歩んできた和竿師の物語がある。」
この本の著者、葛島一美さんの言葉だ。
和竿を手にすれば、タナゴ釣りがより豊かに楽しめるようになると思う。
『平成の竹竿職人』
著者/葛島一美
2002年10月30日 初版発行
発行/株式会社 つり人社
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