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Channel: 実釣派!極楽タナゴ生活。
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カネヒラ・ストーリー その一 (2011年版再編集)

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カネヒラ
(写真は琵琶湖産) 
 
コイ科 タナゴ亜科 タナゴ属
分布:琵琶湖淀川水系以西の本州、北九州
 
 もう三十年以上も前のことだが、家の近くに淡水魚水族館(板橋区立淡水魚水族館:2004年閉館)ができた。入場料無料の子どもにやさしい水族館だった。そして、館長さんも子どもにやさしい人だった。毎日のように出入りしていた子どもたちに魚のことはもちろん、いろいろな話をしてくれた。
 
 水族館の出口に近いところに90cmの水槽があり、10cmくらいのピンクのひれの魚が泳いでいた。館長がこの魚は「カネヒラ」というタナゴの仲間であることを教えてくれた。俺は衝撃にも似た驚きを覚えた。こんなに大きくて、きれいなタナゴがいるのかと。そして、俺もいつかはこんなに大きくて美しいカネヒラを自分で釣ってみたいと思った。
 
 18歳で車の免許を取った俺はタナゴを求めて、霞ヶ浦や北浦に出掛けることが多くなった。当初、タナゴ釣りは冬の釣りだと思っていたが、仲良くなった地元の人は夏も釣っているという。夏にはなんと、カネヒラも釣れるという話を聞いた。水族館にいたあのカネヒラだ。俺はピンクのひれピンカネヒラを自分で釣り上げてみたいと強く思った。
 
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霞ヶ浦水系産カネヒラの幼魚
 
 翌年の六月、地元のおじさんに教わったポイントに行ってみた。カネヒラを狙う人が数人いた。そして、けっこう簡単にカネヒラは釣れた。大きなひれピンの♂を想像していたのだが、初カネヒラは小さな3cmくらいの色も出ていない幼魚だった。(笑)
 
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霞ヶ浦水系産

 俺はカネヒラを求め、霞ヶ浦周辺に通い続けた。夏のある日、小さな用水路に行ってみた。ここではチビカネが釣れていたからだ。浅い用水路を見ていると、ピンクのヒレの魚がダンスするように泳いでいた。俺は静かに仕掛けをヤツの目の前に振り込んだ。黄身練りが丸見えだった。ピンクのヒレの魚はダンスしながら、黄身練りに近づいた。そして、次の瞬間、まっ黄色の黄身練りが消えた。俺は無心で合わせを入れていた。魚の感触が手に伝わった。ほんの短い時間のヤリトリの後、俺の手の中にひれピンのカネヒラが収まった。俺の小学生の頃からの夢がかなった瞬間だった。

 カネヒラの成長は早い。8月になると、ひれピンカネヒラもたまに釣れるようになった。その当時はよいポイントも知っていなかったし、釣り方もまだまだだったので、10匹も釣れれば、その日の釣行は充実したものに感じいた。

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秋の湖北の風景

 元来、人間の欲望は限りないものだ。ツ抜け程度の釣果では満足できなくなった俺は翌年、6月にカネヒラの本籍地、聖地琵琶湖の湖岸に立っていた。初めての琵琶湖にとにかく感動した。琵琶湖そのものに感動した。霞ヶ浦とはケタの違う大きさだ。しかし、琵琶湖はそれほど甘くはなかった。今とちがい、情報などは何も無い時代だ。ポイントは自分の足で探すしかなかった。初めての琵琶湖ではアブラボテや銀鱗ヤリタナゴは釣れたが、カネヒラは釣れなかった。
 
 その当時の俺は根性も入っていたし、金もヒマもあった。(バブルだったし、学生だったからね。) 一度くらいのボウズ釣行では俺の釣欲はまったく冷めなかった。そして、7月もまた琵琶湖に行った。今度はチビカネちゃんの入れ食いだ。ポイントが間違っていたのではなく、時期を間違えていたことが、あとから分かった。さらにこれで味をしめた俺は8月にも琵琶湖に行った。今度は大きくなったカネヒラが入れ食いだった。

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琵琶湖産
 
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宮城県産
 
 もともと旅行好きだった僕は、琵琶湖以来、いろいろなタナゴを求めて、日本各地を釣り歩くようになった。今までに北は青森県、南は熊本県、離島である長崎県の壱岐までタナゴ釣りに行った。中でもカネヒラは全国各地で見ることができた。カネヒラはもともと琵琶湖水系~北九州に分布するが、琵琶湖のコアユの放流とともに東北地方~中部地方に移入し、分布を拡げているようだ。

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岡山県高梁川水系産


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福岡県遠賀川水系
 
 東日本のカネヒラは琵琶湖のカネヒラが移入したものなので、なんとなくみんな似ているような気する。しかし、西日本のカネヒラは水系や地方ごとに見た目も違っていたりする。これも俺の印象だが、西に行くほど、体高が低くなり、目が大きいなるような気がする。他の地方でも河川に生息しているカネヒラは体高が低い印象があるので、西日本に多い河川生息するカネヒラの特徴ということなのだろうか。
 
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河川型?(琵琶湖流入河川)
こいつは俺が今まで釣ったカネヒラの中で最も獰猛な顔をしていた。
 
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おまけのカネボテ? 熊本県産
 
 今はカネヒラはわりと簡単に釣れるようになったので、それほどありがた味を感じなくなったし、しゃかりきに釣ることもなくなった。しかし、年に数度は琵琶湖に行って、本場のカネヒラを釣ることは今後もやめることはないだろう。

*アクセス解析によると、2011年「カネヒラ その一」「カネヒラ その二」が人気ネタなので、再編集してみました。

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